音楽を愛する店主が素材の力をフルに引き出す！進化し続けるスパイスカレー

生駒駅南口から商店街に下りると、にわかに鼻孔をくすぐるスパイスの香り──。通りがかる人々の食欲を刺激しているのは、カレー専門店「カレイヤー」。大阪市内のカレー激戦区で人気を誇った同店ですが、2022年に生駒に移転。その決心の裏には「新鮮でおいしい野菜をカレーに取り入れたい」という強い思いがあったようです。

〈店舗情報〉 カレイヤー 奈良県生駒市元町1-3-22 ☎︎ 0743-25-9457 営業時間 11:30 – 19:00 （水曜は11:30 – 14:00） 定休日：日・祝休 Instagram @calayer_curry 2025年1月15日時点の情報です

素材を生かし、4種類の日替わりカレーを展開

カレイヤーでは毎日4種類の日替わりカレーを提供しており、肉系カレーと野菜カレー両方を味わうことができます。どれも食品添加剤不使用。野菜や豆類を主役にしたカレーは、海外のヴィーガンにも納得していただけるよう動物系の材料を使用せず調理しています。

「スパイスはしっかり使うけれど、あまり主張しすぎないようにしています」と話すのは、店主の久保隆宏さん。口に入れたときに具材の味が感じられるよう、気を配りながら調合しているといいます。

付け合わせにもこだわりが光ります。玉ねぎとヨーグルトのお漬物は、口の中をリフレッシュしてくれるのでカレーと好相性。大根の皮を使ったアチャールは、繊維感のある歯ごたえが楽しい一品です。

さらに、同店の魅力はカレーライスだけではありません。カレーを使ったラーメンも、麺マニアの熱視線を集めています。スパイス、和ダシ、ラーメンを絶妙なバランスで融合させた一杯。麺を平らげたあとで追いメシを注文すれば、食べ応えも大満足です。

音楽ファンが集う有名店になるも食材に惹かれ生駒へ

久保さんのもうひとつの顔が、無類のメタル好き。店名はアメリカのスラッシュメタルバンド「スレイヤー」に由来しており、ロゴなども同バンドをモチーフにしています。

ユニークな店づくりが話題を呼び、本国の音楽誌やwebメディアにも紹介されるほどに。大阪市内で営業していたころは、国内外のメタルファンやミュージシャンが来店。関係者の粋な計らいにより、お店のオリジナルTシャツをスレイヤーのギタリスト、ケリー・キングにプレゼントしたこともあります。

有名なグルメサイトで「百名店」に選出され、音楽ファンにも愛された名物店に一区切りをつけたのは、大阪市内では入手しにくい食材に魅力を感じたからでした。生駒市内や木津川市の農家と親交がある久保さんは、彼らとより近い土地で独自の味を究めるべく、新天地での経営に取り組んでいます。

農家と相談して手に入る野菜を仕入れるため、レシピも日ごとに変化します。日替わりの組み合わせが決まるのは、提供の前日だそうです。ときにはサツマイモ×ガーリックといった、カレーとしては珍しい組み合わせに挑戦することも。「どうやったら野菜の味を生かせるか、考えながら作るのが楽しい。いつも挑戦だけど、おいしく仕上がるのは食材の力ですね」。

惚れ込んだ野菜だから、ポテンシャルを発揮させたい

無添加やヴィーガン対応に配慮するようになったのも、音楽の影響があったといいます。海外の熱心な音楽コミュニティには、菜食主義と親和性の高いものもあるそう。「せっかく来てくれるなら、みんなが安心して食べられるものを」という思いのもと、調理器具もきっちりと分け、管理を徹底しています。

「動物性の材料を使わず、カレーにふさわしい旨みを出すのは、難しいけど面白いですよ。お肉のカレーにもいい影響があったと思います」と久保さん。試行錯誤しながらヴィーガンメニューに取り組み続けたことで、思わぬ副産物が得られました。

生駒の魅力はチャレンジしやすい環境と語る久保さん。新しいものを受け入れてくれるムードを追い風と捉えているようです。店舗から約100メートル南では、同店の自動販売機も稼働中。自慢のカレーやオリジナルグッズを24時間購入できます。

「ここからは、みなさんの心をつかめるよう頑張りたい。音楽好きもカレー好きも、どんどん来てほしいですね」と目を細めていました。

〈店舗情報〉 カレイヤー 奈良県生駒市元町1-3-22 ☎︎ 0743-25-9457 営業時間 11:30 – 19:00 （水曜は11:30 – 14:00） 定休日：日・祝休 Instagram @calayer_curry 2025年1月15日時点の情報です