信頼を積み重ね創業100年超!老舗質屋が見つめる生駒の可能性とは?

グルメ
project
お昼は駄菓子屋、日が暮れると「酒場」──そんなユニークなお店が、ぴっくり通りから東へ1分ほど歩くと現れます。
仕込みは、子どもたちのにぎやかな声が響く昼下がりにスタート。夜になり灯りがともると大人が一人、また一人とのれんの中へ。
今回はそんな不思議な空間の、宵の顔をご紹介。料理やお酒のこだわりをうかがいました。
〈店舗情報〉 チロる酒場 奈良県生駒市元町1-4-6 ☎︎ 0743-61-5390 営業時間 18:30ごろ〜23:00 営業日:木・金・土 Instagram @tyrol.do 2025年1月15日時点の情報です |
「まほうのだがしやチロル堂」は店内通貨・チロル札などを活用した独自の寄付システムをつくり、地域の人々と一緒に子どもを支え、見守っています。2022年にはグッドデザイン大賞を受賞するなど、全国的にも注目を集める取り組みです。
そんな店舗が、夜には「チロる酒場」に。駄菓子が陳列された店頭に昼間のにぎわいの余韻を感じつつ、奥に進むとカウンターとテーブルが現れます。というシンプルな味わいでの勝負です。
酒場で提供されるのは、お酒に合う和洋の品々。季節感や、そのとき手に入れやすい食材をもとにメニューを組み立てるので、固定のおしながきは作っていません。店長の“ガチャさん”こと横山仁美さんは「こだわりというほど立派なものはないけど、食事の時間がより良いものになるものを出したい」と話します。
その言葉の通り、次々と出来上がる料理一品ずつに合わせて器も吟味し、目の前に現れたときのワクワクを演出しています。もちろんどれも、お酒との相性もバッチリです。
もともとスパイス料理が好きで作るのも得意だったというガチャさんですが、レパートリーはとどまるところを知りません。
味や香りに加え、食感に変化を付けることを意識しているそうで「お客さんからも、気の利いたごはんだねって言ってもらえることが多くて。五感を大切にしているから、そういう部分が伝わっていると思うとうれしいですね」と笑顔を浮かべました。
最近は団体客が増えていることもあり、人数に合わせたプレート料理の人気も上昇中。事前に相談があれば、食べ応えのある揚げ物やフレッシュな野菜などを組み合わせてオリジナルの一皿に仕上げます。
チロる酒場は幅広くお酒も用意していますが、特に力を入れているのがワインです。生駒市にある「谷口ワイン」の協力を得て、金井麻紀子氏によるセレクトワイン「マキコレワイン」を提供しています。フランスの生産者資格を持つ金井氏が、味わい・品質・作り手の哲学を重視して厳選。安心して味わうことができ、日本人の食文化に合うのも特徴です。生産数が限られており、手に入りにくいものもあります。
東京を拠点にアーティストとして活動してきたガチャさんは、約3年前に移住。友人たちが関西にいましたが、生駒に直接的なゆかりはありませんでした。些細なことがきっかけで選んだこの街でチロル堂に出会い、「私も役に立てたらいいな」と思ったそうです。
その後、メンバーからの誘いを受け、週に1回料理を担当。仕込みをしながら、子どもたちと触れ合う時間が増えるうちに、人との関わり方の大切さを、より強く感じるようになったといいます。そして2024年10月、正式に酒場の店長に就任。日々腕を振るっています。
「もちろんチロル堂の仕組みを知って来てくれる人もいるけれど、ここで駄菓子が並んでいるのを見て、初めて知ったというお客さんもいます。酒場は流動的に人が出入りするところ。楽しそうに過ごす大人を見て子どもも安心する、そんな循環をつくりたい」とガチャさん。 いつもと違うものを食べたり飲んだりしたい、そんな夜の「ちょっと一杯」も歓迎しています。最近は女性客が増えてきているそうで、特に評判なのが韓国料理。新しいメニューの開発にも余念がありません。
〈店舗情報〉 チロる酒場 奈良県生駒市元町1-4-6 ☎︎ 0743-61-5390 営業時間 18:30ごろ〜23:00 定休日:月・火・日 Instagram @tyrol.do 2025年1月15日時点の情報です |
other project