街の台所、生駒の「えべっさん」― 三代続く「戎屋」が守る、鮮度と人の温もり

グルメ

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生駒駅南口を降りてすぐ。威勢のいい声と、色鮮やかな旬の食材が並ぶ風景――。そこには、創業から65年、三代にわたり街の食卓を支え続けてきた「戎屋(えびすや)」があります。

商売繁盛の神様「えべっさん」にあやかって名付けられたその名の通り、ここは単なる商店ではなく、地域の笑顔が集まる場所。時代が変わっても変わらない、戎屋のこだわりと想いを取材しました。

朝4時から始まる「プロの目利き」と、地域を支える足

戎屋の朝は、まだ街が眠りの中にいる午前4時から始まります。三代目店主が真っ先に向かうのは、活気あふれる市場。「その日一番の品物を、自分の目で見て選び抜く」。この妥協のない仕入れこそが、長年地域の人々に信頼されてきた戎屋の品質を支えています。

店主の1日と地域への想い

競り落としたばかりの食材を店に並べ終えると、街が本格的に動き出す午前10時。そこから正午にかけて、戎屋は一日の最高潮を迎えます。今晩の献立を相談しに来る地元の常連さんはもちろん、土曜日ともなれば、その鮮度を求めて大阪などの遠方からわざわざ車を走らせてくるファンも少なくありません。

活気あふれる店頭の一方で、店主が同じくらい大切にしているのが、街の隅々まで新鮮な食材を届ける「配達」の仕事です。市内の老人ホームや保育園へとハンドルを握り、直接品物を届けに回ります。

「重い荷物を持って歩くのが大変になってきた」という高齢者の方々の切実な声に寄り添い、玄関先で言葉を交わしながら食材を手渡す。その姿は、単なるビジネスとしての配送ではなく、創業当時から変わることのない、温かな「近所付き合い」の延長線上にあるのです。

幼い頃からの決意。三代目が受け継いだ暖簾の重み

現在の店主は、2025年に正式に代替わりを果たしたばかりの若き三代目。姉弟の長男として育ち、幼少期から「いつかは自分もこの店を継ぐんだ」という意識が自然と芽生えていたといいます。18歳から家業に入り、ご両親や曾祖父の背中を見て学んできた「商いのいろは」。

単に物を売るのではなく、「戎屋があるから安心」と思ってもらえる信頼関係。その重みをしっかりと受け止め、三代目の新しい挑戦が始まっています。

「暇つぶしにでもふらっと立ち寄れるような」―― 商店街に灯す、新しい活気の火

戎屋が大切にしているのは、商売だけではありません。生駒小学校や生駒東小学校などの学習協力、さらには大瀬中学校の「商店街活性化」をテーマにした授業への参画など、子どもたちの教育の場としても門戸を広げています。

「商店街全体に活気が戻ってほしい。小さなお子さん連れの方でも、ふらっと『暇つぶし』に寄ってもらえるような、気兼ねない場所でありたいんです」

店主はそう語ります。近隣の店舗とも手を取り合い、一軒一軒が点ではなく「線」となって街を盛り上げる。そんな良好な横のつながりが、戎屋を起点に広がっています。

旬の野菜の目利きを聞くもよし、夕飯の相談をするもよし。今日のお買い物は、生駒の「えべっさん」に会いに行きませんか?

店舗情報

店名(株)NISHINO,CO, 戎屋
所在地生駒市元町1丁目8-6
定休日日曜日・祝日の月曜日
備考仕入れ状況により時短営業の可能性あり。地域への配達対応あり。
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